じいじからのご挨拶

じいじのオカリナ屋
じいじのオカリナ屋
オカリナを作るじいじ

じいじからのごあいさつ ■オカリナとの出会い 若い頃から笛が好きで、フルート専攻で音楽大学に行きました。学校では、バロック音楽を研究したこともあって、リコーダーなどの古楽器にも親しみました。その後、中学教員になり授業や吹奏楽の日々を送っていましたが、40歳ころに「自然素材の創作楽器」のワークショップに関わることがあり、竹や土の楽器と出会いました。 ■オカリナの特徴と魅力 通常、「笛族」の楽器は開管(筒状で先が開いている)で、フルート、リコーダー、ケーナや尺八もこの形です。それに対して、オカリナは閉管(先が開いていない)であることで、独特の内面的な響きが生まれます。また、素材も主として陶器(木製のものもある)で、それも温かさを感じさせる要因となっています。 ■オカリナづくりのこだわり 陶土は信楽のすいひ陶土を使っています。きめが細かく、かと言って粘りすぎず素晴らしい土です。また、黒灰色の土が焼きあがると美しい白色に変化するところも魅力です。 焼き上げた後、調整・加工するので、焼成温度は1030℃前後とし、固めの素焼き状態で焼き上げます。その後、表面を磨き、調律(チューニング)をして、塗装しています。素焼き状態でも美しいのですが、やはり衝撃に弱かったり、きめが粗かったりするので、工芸用のうるしニス(漆成分は入っていない)で保護しています。このニスは、手作りの箸や木皿に使用するもので、陶器だと定着に神経を使いますが、食品衛生法に通っているということで、直接口に触れる笛なので利用しています。 作成時間は ①成形(粘土をオカリナの形に制作する)90分 ②乾燥 5~7日 ③焼成 電気炉で2時間半程度、その後冷却に6時間程度 ④表面加工(仕上げ)と調律 2時間程度 ⑤塗装 1時間ごとに3~4回重ね塗り(4時間程度) というように、一つずつ作るとかなりの時間と手間を要します。 また、手作業なので、一本ずつ鳴りや音色が違います。当然、よくなる笛が一番ですが、少し“かすれ”が入った音も自然の風が感じられて捨てがたいものがあります。作るごとに気付きがあり、また一本一本の楽器と向き合う楽しみがあり、ゴールはありません。 ■オカリナの楽しみ方 最近は、手持ちの楽器数も増えたので、自分のワークショップに併せて、「オカリナ体験」をしてもらうようにしています。音域は1オクターヴちょっとですが、唱歌や子どもの歌など、素朴な曲調の作品に適しています。 自分のコンサートでは、唱歌などとともに、「見上げてごらん夜の星を」「アメージンググレース」「もののけ姫」「サトウキビ畑」などを演奏しています。時には「アベマリア」や「G線上のアリア」などのクラシックもプログラムしています。 オカリナは、リコーダーのように吹けば音が出る楽器です。フルート、篠笛、尺八、ケーナ、いずれも音を出すことにかなりの労力を使うことに対して、たいへん親しみやすい楽器です。閉管の笛独特の、内面から響いてくるような音色も、演奏していて癒されます。陶器の持つ温かい手触りが好きだという方もおられます。 ■F管のオカリナ、C管のオカリナ 素材が粘土なので、いろいろな大きさ(音高)の笛ができますが、今は、F管(全部押さえたらファ)と、C管(全部押さえたらド)の2種類の大きさに絞って作成しています。少し小さいF管では伸びやかな高音を楽しめます。大き目のC管はオカリナ本来のしっとりとした音色が持ち味です。C管では吹いた音がそのままピアノ等のドレミに対応しますので、合奏にも適しています。(F管でも、慣れれば大丈夫です。自分のコンサートでF管3:C管2くらいの割合で吹いています。) ■大切に作ったオカリナをお楽しみください 一本ずつにかなりの時間を要するため、量産とはいきませんが、今年は「ステイホーム」の時間を活用して、多めに作成することができました。この笛を手に取り、吹いていただけることこそが喜びと感じています。